株式投資には、現物取引と信用取引があります。
現物取引とは、自分のお金で株を買う普通の取引です。
たとえば10万円を持っていて、その10万円の範囲内で株を買う。これが現物取引です。
一方で、信用取引とは、証券会社からお金や株を借りて行う取引です。
自分の手元資金以上の金額で株を買ったり、自分が持っていない株を売ったりすることができます。
この「借りて取引する」という点が、信用取引の大きな特徴です。
レバレッジとは何か
信用取引では、自分の資金以上の金額を動かすことができます。
このように、少ない元手で大きな金額を動かす仕組みをレバレッジといいます。
たとえば、自分の手元資金が100万円しかなくても、信用取引を使えばそれ以上の金額で取引できる場合があります。
うまくいけば利益は大きくなります。
しかし、逆にいえば、失敗したときの損失も大きくなります。
レバレッジは、利益を大きくする道具であると同時に、損失を大きくする道具でもあります。
空売りとは何か
信用取引の中でも、特に分かりにくいのが空売りです。
普通の株式投資は、株を買ってから持っている株を売ります。
安く買って、高く売る。
これが基本です。
一方で、空売りは順番が逆です。
先に売って、あとから買い戻します。
「持っていないものを売る」と言われると、少し不思議に聞こえるかもしれません。
なので、身近な例で考えてみます。
ゲームを借りて売る例

僕の友達のA君は、最新の超人気ゲームを持っています。
定価は5000円で、中古市場でもまだ5000円で取引されています。
A君は夢中になって、そのゲームをすぐに完全クリアしてしまいました。
そこで僕は、A君から半年間の約束でそのゲームを借ります。
僕は、そのゲームをすぐに中古ショップへ持っていき、5000円で売ります。
この時点で、僕の手元には5000円があります。
ただし、ゲームはA君から借りているものなので、半年以内に返さなければいけません。
しばらくするとそのゲームのブームが去りました。
そこで僕は中古ショップに行き、同じゲームを買い戻します。
中古価格は2000円まで下がっていました。
僕は2000円でそのゲームを買い戻し、それをA君に返しました。
この場合、僕は最初に5000円で売り、あとから2000円で買い戻しています。
差額は3000円です。
つまり、僕はゲームをもともと持っていなかったにもかかわらず、
「借りる」→「売る」→「安く買い戻す」→「返す」
という流れによって、3000円の利益を得たことになります。
これが空売りの基本的なイメージです。
※あまりに鬼畜すぎるので、実際に友達のゲームでは空売りしないでね。
株でも同じことをする
株式市場でも、似たようなことができます。
自分が持っていない株を借りてきて、先に売ります。
その後、株価が下がったところで買い戻します。
そして、借りていた株を返します。
つまり空売りは、株価が下がると利益が出る取引です。
普通の株式投資では、株価が上がると利益になります。
しかし空売りでは、株価が下がると利益になります。
現物取引の場合は、市場全体が下げている時にはみんな必ず損をしますが、空売りをすることで下げ相場の中でも儲けることができます。
画期的なツールですね。
ただし、空売りには大きなリスクがある
空売りは、うまく使えば下落局面でも大きく利益を狙える取引ですが、その分リスクも大きいです。
なぜなら、空売りした後に株価が上がると損をするからです。
ゲームの例で考えてみます。
5000円で売ったゲームを、あとで2000円で買い戻せれば利益になります。
しかし、もしそのゲームがさらに人気化して、1万円、2万円と値上がりしたらどうでしょうか。
半年以内に、必ずA君にゲームを返さなければいけません。
そのため、たとえ価格が上がっていても、どこかで買い戻す必要があります。
2万円で買い戻すことになれば、1万5000円の損失です。

株でも同じです。
現物株を買った場合、最悪でも株価がゼロになるまでです。
100万円分買った株がゼロになれば、損失は100万円です。
しかし空売りの場合、株価の上昇には理論上の上限がありません。
株価が2倍、3倍、5倍と上がれば、損失も膨らんでいきます。
ここが、空売りを軽く見てはいけない理由です。
まとめ
信用取引や空売りは、現物取引とは仕組みが違います。
現物取引は、自分のお金で株を買う取引です。
一方で、信用取引はお金や株を借りて行う取引です。
そのため、金利や貸株料などのコストがかかることがあります。
また、株価の動きによっては、損益の出方も現物取引とは変わります。
特に空売りは、株価が下がると利益になり、株価が上がると損失になる取引です。
普通に株を買う場合とは、利益と損失の方向が逆になります。
この記事では、信用取引や空売りをすすめたいわけでも、否定したいわけでもありません。
まずは、信用取引は「借りて取引するもの」、空売りは「先に売って、あとで買い戻すもの」だと理解しておけば十分です。
今後、投資記事の中で信用取引や空売りという言葉が出てきたときに、普通の現物株とは少し違う取引なんだな、と思い出してもらえればと思います。




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