勝ったのに、良い投資だったとは思えなかった話

株式投資

4/9の決算で跳ねたローツェで大きく利益を取ることができました。

イランの戦争不安で相場全体が軒並み下落していた局面で、私はローツェを毎日数百株ずつ小分けにして買っていました。
結果としてはうまくいき、3週間程度で50%以上の含み益になりました。

数字だけ見れば、かなり良い結果です。

ただ、今回の件はあまり素直に喜べていません。
むしろ、利益が出たからこそ、かなり強い反省が残っています。

素直に喜べない理由

今回のローツェは、結果だけを見れば勝ちでした。
でも、自分の中では「良い投資だった」とはあまり思えていません。

理由は単純です。
結果は良かったが、判断の質まで良かったとは言えないからです。

投資では、儲かったかどうかと、良い意思決定ができたかどうかは別だと私は思っています。
今回の件は、まさにそこを分けて考えなければいけないケースでした。

今回の自分は、かなり横着をした

今回、自分が一番反省しているのはここです。

私は、前々から尊敬している投資家の方の見解をかなり参考にしていました。
その方の分析力は本当に素晴らしいと思っていますし、今でもベンチマークする価値のある投資家だと思っています。

遠く及びませんが、自分の投資の手法や考え方と似ている部分もあり、その方が関心を示している銘柄については必ず分析するようにしています。その方の現在の詳しいポートフォリオは分かりませんが、被っている銘柄も複数あると思います。

普段投資判断をするときは、どこでその銘柄を見つけてきたかに関わらず、必ず自分なりに分析して、今この銘柄に投資する価値があるのかを検証してから資金を投下します。

ただ、今回はそこで止まってしまった。

本来であれば、
「この局面でじわじわ買い増しするのは一つの案かもしれない」
と受け取った後、そこから自分で分析し、検証し、その上で買いボタンを押さなければいけませんでした。

でも実際には、そこをかなり飛ばしてしまった。
別件で忙しいことを言い訳にして、自分でやるべき確認を怠ったまま資金を張ってしまった、、、

これはかなり良くないです。

もちろん、投資家の中には著名投資家や投資インフルエンサーにイナゴして大きく張り、儲かったり損したりという人はたくさんいると思います。

ですが、これは私の投資哲学、生き方の話で、
このブログのテーマでもある「期待値」をしっかりと検証して、仮説を立てて反証を繰り返しながら自分の中で確固たるものにしていく。

これがブレるということは生き方の指針がブレるということで、自分中では絶対にしないでおこうと決めていたことでした。にも関わらず、行ってしまった。

暴落というものはいつも突然やってくるものです。優秀な投資家なら、暴落した時に何を買うかなんて、暴落の前からある程度決めているはずです。私は準備がまだできておらず、目先の利益に目が眩んで行ってしまった。

尊敬する投資家を参考にすることと、
その人の分析を自分の検証の代わりにしてしまうことは、全く別です。

前者は学びになります。
でも後者は、自分で考えることを放棄しているだけです。

本来なら、ローツェはこう分析すべき銘柄だった

ローツェは、半導体・FPD向けの自動化・搬送装置を手がける機械メーカーで、売上の中心も半導体関連装置です。主要地域は台湾・中国・米国に偏っていて、主要顧客の設備投資や受注サイクルの影響をかなり強く受ける会社です。

つまり、この銘柄を買うなら、本来は最低でも次のような点を自分で見なければいけなかった。

まず、半導体関連装置の受注や受注残がどう推移しているのか。
次に、主要顧客や主要地域の設備投資が、来期以降どこに向かっているのか。

さらに、台湾の先端投資、HBM、先端パッケージといったテーマが、ローツェの受注にどうつながるのか。
そして、その期待が株価にどこまで織り込まれているのか。

今回のレポートにもある通り、3Q時点では会社側が台湾ファウンドリ向けについて「受注端境期」「受注時期の後ずれ」と説明しており、公開情報としても、台湾の先端投資やHBM投資の強さはある程度追うことができました。つまり、「受注が戻る可能性が高い局面かもしれない」という方向性は、自分でも仮説として持てた余地があった。

ローツェ(株)2026年2月期 決算説明資料より

一方で、4Q受注が前四半期比48%増で過去最高になる、といった跳ね幅そのものまで点で当てるのは、今の私では難しかったと思います。だからこそ、やるべきだったのは“当てにいくこと”ではなく、方向性を自分なりに確率で整理して、そのうえでポジションを取ることでした。

そこを自分でやらなかった。
これが今回の本質的な反省点です。

今回の勝ちは、再現性のある勝ちではない

今回、利益は出ました。
でも、その取り方には再現性のない部分がかなり含まれていました。

もし今回、
「結果的に儲かったのだから、このやり方でもいい」
と解釈してしまったら、それはかなり危ないと思っています。

なぜなら、今回の利益は
「自分で仮説を立て、自分で検証し、自分で納得して張った結果」
とまでは言えないからです。

他人の分析にかなり依存し、忙しさを言い訳にして、自分で詰めるべき論点を飛ばした。
その状態でたまたま勝てただけなら、それは投資家として積み上がる勝ち方ではありません。

むしろ、こういう勝ち方の方が危ない。
勝つと、人はそのやり方まで正しかったような気になりやすいからです。

でも本当に見るべきなのは、利益の額ではなく、
その利益をどういう意思決定で取ったのかです。

今回のローツェで検証すべきなのは、結果ではなくプロセスでした。

こういう勝ち方に味を占めると、いつか必ず痛い目に遭う

今回の件で一番危ないのは、ここだと思っています。

こういう勝ち方で利益が出ると、
「忙しい時は信頼できる人の分析に乗ればいい」
という危険な成功体験ができてしまう。

でも、それを続けていたら、いつか必ず痛い目に遭うはずです。

他人の分析を起点にすることは悪くない。
でも、それを自分の頭で咀嚼せず、そのまま売買の根拠にしてしまうなら、もはやそれは自分の投資ではありません。

それでは成長しないし、再現性もつかない。
たまたまうまくいった時だけ気分がよくて、外した時には何も残らない。

それは絶対に避けたいと思っています。

次からのルール

今回の件は、反省で終わらせてはいけないと思っています。
次からは、ここを必ずルール化します。

他人の分析は、あくまで一つの案として受け取る。
そこから先は、自分で一次情報を確認し、自分の言葉で投資理由を説明できる状態まで落とし込む。
そこまでできないなら、買わないか、買っても小ロットで。
忙しい時ほど判断基準を甘くしない。
そして、勝った時ほど結果ではなくプロセスを厳しく点検する。
そもそも、暴落が起こるまでにしっかりと暴落時に買う銘柄リストを作成しておく。

今回のローツェで取れた利益は事実です。
でも、自分が本当に受け取るべきものは、その利益そのものではなく、
自分がどこで横着をしたのか
どこで自分の検証を省略したのか
という教訓の方だと思っています。

次からは、
「これは一つの案だ」と受け取る。
そこから自分で分析し、検証し、その上で買いボタンを押す。
それをやらない限り、自分は成長できない。

今回の件は、その当たり前のことを改めて痛感させられた一件でした。

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